学習院大学専門塾/予備校HO-PASSの代表菅澤です。
このページでは、学習院大学経済学部の日本史入試問題の傾向や特徴を解説しております。
学習院大学に合格するには学部別の対策と同時に、科目別の対策も必要になってきます。
学習院大学経済学学部に合格したい方は「日本史」の特徴や傾向を理解したうえで勉強に励みましょう。
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学習院大学経済学部とは
学習院大学経済学部についての情報は別途コチラに記載しております。
学習院大学経済学部を知りたい方はコチラより閲覧してください。
学習院大学経済学部「日本史」の前提情報
試験時間 | 60分 |
大問数 | 5題 |
解答形式 | 2021年度:マークシート式(100点)・記述式(20点) 2020年度:マークシート式(30点)・記述式(90点) 2019年度:マークシート式(40点)・記述式(80点) |
頻出単元 | 原始・古代、中世、近世、現代から満遍なく出題。 原始、戦後史からの出題は少なめ。 政治史・文化史・対外関係史・社会史はやや頻出傾向にある。 |
2014年度までは90分だった試験時間が、2015年以降は60分となりました。
大問は5問で、リード文(大問の主な文章)が長いので、一見分量は多く見えますが、しっかりと基礎知識を固めていれば、制限時間内に解き終わることのできる分量です。
それどころか、しっかりと基礎知識が固まっているのならば、リード文全体を読むこともなく、問題の前後だけを見て回答することもできるでしょう。
2014年度までは、マークシート式が60問、記述式が30問と言う形式が続いていましたが、2015年以降は上記の表のとおり、マークシート式・記述式のそれぞれの問題数も配点も年度によって異なっています。
出題範囲は、原始・古代、中世、近世、近現代から満遍なく出題されています。
出題分野は、政治史、文化史、対外関係史、社会史が頻出となっています。経済学部ですので、産業や経済史にも注意しましょう。
また、学習院大学経済学部日本史の特徴として以下があげられます。
・時代を通した分野別テーマ問題が出題されること
・学部共通の問題傾向がある。
これら部分については、記事の最下部『学習院大学経済学部「日本史」の攻略法』にて解説していますので、参照してください。
学習院大学経済学部「日本史」の傾向
それでは、学習院大学経済学部「日本史」の特徴・傾向を見ておきましょう。
学習院大学経済学部の問題は、大きく分けて3つの問題が存在します。
■マークシート式問題
■記述式問題①(空欄補充型)
■記述式問題②
以上の問題が存在します。
■マークシート式問題
例:
「マークシート式問題」とは、リード文中の()を補充するのに最も適するものを選択肢から選択する問題です。
最初の頻出問題はマークシート式問題です。
はっきり言って、学習院大学経済学部日本史のマークシート式問題は難しくありません。
なぜなら、問われる知識の大半が教科書レベルの内容であるからです。
中にはいくつか難問も見られますが、それらで失点することは許容範囲内です。
難問による失点を防ぐことよりも、基礎的な問題を取りこぼさないことに注力することが、学習院大学経済学部合格の秘訣です。
具体的には一問一答形式の参考書によるインプットとアウトプットが基本的な対策となります。
また、リード文の()を補充するようにして回答するので、前後の文脈などから考えることとなります。
つまり、重要用語に関する知識だけではなく、流れを理解しているかどうかも問われることになります。
歴史の流れを理解するためには、教科書を読みましょう。
■記述式問題①(空欄補充型)
例:
*一部抜粋
「記述式問題①」とは、リード文中の空欄を補充するのに、最も適するもの(語句・人名など)を記述する問題です。
続いての頻出問題は、空欄補充型の記述式問題です。
年度によってマークシート式問題に対して記述式問題の数が増えることもあり、リスクが大きいと考える受験生もいるかもしれません。
確かに負担は大きいかもしれませんが、問われている知識レベルはマークシート式問題とほぼ変わらず、またマークシート式問題よりも配点が大きいというわけでもありません。
つまり、多数出題される記述式問題に身構える必要ないということです。
それどころか、教科書レベルのマークシート式問題ばかりだと、学習院大学を受験するレベルの受験生の得点率に差が生まれません。
逆に、記述式問題が多い場合は他の受験生と差をつけることのできるチャンスだと思いましょう。
そして基本的な対策はマークシート式とそれほど変わりません。
教科書を読んで重要語句の知識を取り入れ、歴史の流れをつかみ、出来事を体系的に理解していく…
これらに加え、記述式問題の対策においては一問一答形式によるアウトプットが大きな役割を占めます。
マークシート式問題のように選択肢が与えられるのではないので、0から思い出す必要があるからです。
そして記述するタイプの問題であれば、理想的ですね。
日本史の語句は難しいものも多く、音としてはわかっていても、いざ書こうとすると感じがわからなかったりするものです。
また、仮に手で覚えることができたとすれば、その問題がマークシート式問題で出題された場合は、間違いなく得点することができますね。
■記述式問題②
例:
*一部抜粋
「記述式問題②」とは、リード文中で下線が引かれた語句などに関連して出題される問題に対して、記述する問題です。
この記述式問題②は、記述式問題①の空欄補充とは多少性質が異なるので記述しておきます。
この問題形式では、特に体系的な理解が問われます。
上記の例を見てみましょう。
リード文では「財閥解体」に下線がひかれています。
しかしながら問題を読んでみると、問われているのは「過度経済力集中排除法」についてであり、その共通点は「戦後経済改革」のひとつであるという事です。
正答は「日本製鉄(日本製鉄(株式)会社)」です。
このように回答する際は
「財閥解体」ー「戦後経済改革」ー「過度経済力集中排除法」ー「日本製鉄」
と言う流れで考えていくわけですが、
実際の勉強の際には逆の流れを意識します。
例えば
「日本製鉄」は当時最大の鉄鋼メーカーで、
「過度経済力集中排除法」で分割されて、
「過度経済力集中排除法」は「戦後経済改革」の一つで、
「戦後経済改革」は他に「財閥解体」があって…
というように、一つの語句の定義などを覚える際には、派生させて体系的に理解を広げていきます。
問題を解く際にはこれの逆をたどればいいだけですので、この体系的な理解を意識することがこの問題形式の最も効率の良い対策となります。
学習院大学経済学部「日本史」の攻略法
続いて、学習院大学経済学部の日本史攻略法を記します。
学習院大学経済学部日本史の攻略法は大きく分けて、以下の4つになります。
❶正確なインプット・正確なアウトプット
❷原因・概要・結論を説明できるようにすること
❸通史の分野別テーマ問題の対策
❹学部共通問題の傾向研究と対策
ここに該当してない場合、合格は厳しいです。
しかし、これらに該当している場合は合格の可能性が高いと言っていいでしょう。
❶正確なインプット・正確なアウトプット
学習院大学経済学部日本史攻略法1つ目、「正確なインプット・正確なアウトプット」です。
まずはインプットとアウトプットの定義を確認し、学習院大学経済学部合格における最適な方法について述べます。
まずインプットとは知識や情報を頭に入れることです。
教科書や単語帳、用語集を読んだり、学校や塾で先生の授業を聞くことなどがあげられます。
アウトプットとはインプットによって得た知識や情報を発揮することです。
問題集や過去問を解いたり、赤シートを使って単語を思い出したりする作業のことです。
そして正しいインプットとはただ教科書や単語帳、用語集を眺めるだけではありません。「教科書や単語帳、用語集による、重要語句の暗記と歴史の流れをつかむこと、それぞれを結び付ける体系的理解」を指します。
何度も出てきていることですね。
一方で正しいアウトプットとは「インプットによって知識や情報が頭の中に定着しているかどうかを試すこと」です。
理想的なのは、インプットした後にすぐに問題を解いてみることです。
解けない場合や間違えた場合は、知識の定着や理解が不足しているという事となります。インプットし直しましょう。
なによりもインプットしたまま、アウトプットしたままというのは非常に非効率的でもったいないです。
そしてインプットとアウトプットにおいて最も重要なのはそのバランスです。
インプットばかりをしている人は勉強時間に対して成績が上がりにくいです。
つまり、成績向上のためにはインプットよりもアウトプットを行う必要があります。具体的には「3:7」「2:8」くらいですね。
「全体をインプット」→「全体をアウトプット」→「不足部分のみをインプット」→「全体をアウトプット」→「不足部分のみをインプット」→…
上記を繰り返すことが暗記科目の必勝法です。
そうすれば自然とアウトプットに費やす時間の方が多くなるはずです。
❷原因・概要・結論を説明できるようにすること
学習院大学経済学部日本史攻略法2つ目、「原因・概要・結論を説明できるようにすること」です。
学習院大学経済学部の問題は教科書レベルではありますが、実際の問題のリード文における言い回しなどは、当然教科書などとは異なります。
試験の際に教科書と異なる言い回しに困惑して頭が真っ白に…
なんてことにならないためにも、歴史の原因・概要・結論を正しく理解しなければなりません。
具体的な対策としてまずは、教科書全体を体系的に理解し、歴史をひとつの流れとしてつかむことが大切です。
そして重要語句(教科書であれば太字など)の周辺語句から知識を広げていき、事件や出来事を結んでいくとよいでしょう。
ある程度対策することができたと思ったら、他人に歴史の原因・概要・結論を説明してみましょう。
これによって重要語句などの知識や因果関係の理解、体系的な理解が本当に身に付いているかどうかをテストすることができます。
説明後の質問に答えられない場合
→体系的な理解が身に付いていない、不足している。
説明して十分に理解してもらえない場合
→因果関係の理解が身に付いていない、不足している。
そもそも説明すらできなかった場合
→重要語句などの知識が身に付いていない、不足している。
と考えることができます。
❸通史の分野別テーマ問題の対策
学習院大学経済学部日本史攻略法3つ目、「通史の分野別テーマ問題の対策」です。
学習院大学経済学部の日本史では、通史の分野別テーマ問題がよく出題されますので、合格するには対策が必須となります。
各テーマを縦の流れで理解することを意識しましょう。
政治史、文化史、対外関係史、社会史、経済史のような基本的なテーマを重点的に勉強することで、効率よく成績を上げることが期待できます。
具体的な勉強法として、ただ教科書を読むだけというのは不十分です。教科書は非常に優れた教材ですが、テーマごとを通史で理解するようにはできていないからです。
教科書を読みながら、手を動かしてノートにまとめるという作業をしてみましょう。
まとめようと考えながら読むことで、重要なポイントや流れを理解しやすくなる上に、知識も定着しやすくなります。
とはいえ、ノートに書いてまとめるのはどうしても時間を要する作業です。
試験本番まで時間のない場合や、他大学や他学部の対策に時間を費やしたいという場合は、テーマ別の問題集を解くのも一つの手段です。
学習院大学経済学部の日本史では記述式問題が出題されるので、問題集も記述式であると理想的ですね。
当然、この問題集も一度解くだけでは不十分です。
理解を深め、知識を定着させるためには、何度も繰り返し繰り返し解きましょう。
❹学部共通問題の傾向研究と対策
学習院大学経済学部日本史攻略法4つ目、「学部共通問題の傾向研究と対策」です。
最後の攻略法は「学部共通問題の傾向研究と対策」です。
「学部共通問題」とは、例えばその年に経済学部で出題されている一方、他学部でも出題されているテーマや問題のことです。
学習院大学に限らず、大学入試は学部によって試験の問題傾向は異なりますが、
その中でも学部を越えた共通の問題傾向を見出すことができる場合があります。
学習院大学の日本史は、「仏教の公伝」や「藤原氏の家族関係」、「江戸幕府に関わる寺社」などで、過去問と重複している問題が出題されることが特徴です。
したがって、過去問題の研究と分析、そしてその重点的な対策は非常に重要となっています。
経済学部の過去問題ばかりでなく、他学部の過去問題にもできる限り多く取り組み、傾向や特徴を理解することで、入試本番で実力を発揮しましょう。